第1章 釈迦の教え、初期仏教について……………………6 1.はじめに 2.「仏教」・「宗教」という言葉自体が本来のものではない 3.釈迦は、自身を神と位置づけず、自身への崇拝を禁じた 4.絶対神(God)という信仰概念 5.聖書の唯一絶対神の誕生のプロセス 6.釈迦は原則として非暴力・不殺生(反戦争) 7.カースト制度を否定した、平等主義の強い思想 8.輪廻転生より現世で悟ることを強調した 9.初期仏教は、宗教ではなく、高度な心理学・心理療法の性質を持つ 10.医師としての釈迦、治療法としての仏法、高度で心理的な発達の智恵 11.信じることと、悟る=気づくことの違い 第2章 釈迦後の仏教:その変質と他宗教との関係 ………14 1.仏教全体の歴史 2.釈迦の時代:初期仏教 3.釈迦の死後:仏教教団の分裂・多様化 4.現代の状況 5.仏教の変質:ヒンドゥー教の影響 6.キリスト教・終末思想の影響 7.宗教が戦争を心理的に可能にしたという説 8.仏教の一部が仏を神格化し、殺生肯定に変質した経緯 9.後期密教の時代にも、仏教の一部が殺生肯定に変質した経緯 10.インド最後の仏教経典の時輪タントラの聖戦・最終戦争思想 11.時輪経典・シャンバラの教義と麻原・オウムによるその歪曲 12.カーラチャクラ経典とシャンバラと阿閦如来について 第3章 21世紀における初期仏教の復興・創造的再生の可能性……………………34 1.はじめに 2.心身の苦しみを和らげる心理療法的な思想として 3.マインドフルネスムーブメントは、初期仏教の復興の現象の一環ではないか 4.マインドフルネスに限らない仏教と心理学の接近と経典の予言 5.人類の「長寿」化にともなう仏教思想の復興の可能性 6.競合的な幸福の追求が加齢とともに弱まる背景 7.高齢期に強まる競合的な幸福観による苦しみ 8.仏教的な生き方がもたらす健康長寿 9.仏教的な生き方は、高齢期の苦しみを和らげ、苦しみを喜びにする 10.長寿の先進国に現れた「老年的超越」=悟った高齢者の現象と経典の予言 11.平等主義・反差別・民主主義の広がりにともなう仏教の復興の可能性 12.人類活動の中心が西洋から東洋に移る時代に、仏教が復興する可能性 13.人類間の戦争の解消と恒久的な平和のために役立つ仏教の平等・非暴 力・反戦の思想 14.21世紀に日本の精神文化が持つ役割と、戦争の解消・平和の実現 15.人口減少・低成長の日本が必ずしも衰退しない可能性 16.外国の投資資金の流入や訪問客の急速な増大 17.21世紀の日本は、政治と仏教の改革期にあるという説 18.21世紀に初期仏教の思想の創造的な再生の可能性 付記1:さまざまな周期説に関係した補足 付記2:薬師如来と阿弥陀如来:東と西、水と火の仏 第4章 21世紀の仏教的な生き方・ライフプラン…………55 1.はじめに 2.競合的・自己中心的な幸福観の行き詰まり――幸福の裏側に苦しみを生む構造がある 3.勝ち組も本当には幸福になれず苦しみが増える 4.高齢期になると増大する競合的な幸福観による苦しみ 5.高齢期の喪失体験による苦しみは、勝ち組の方がむしろ大きい可能性がある 6.統計的調査での高齢者の幸福観:価値観の転換の徴候 7.長寿時代の高齢期は非常に長くなり、第二の人生の様相を呈していること 8.高齢者の心身の健康問題が第一のピークを迎える2025年の問題 9.21世紀を生きるためのライフプラン、協調的な幸福を重視する 10.正しい競争に関する考え方:切磋琢磨による互いの成長の助け合い 11.自分の心を客観視し、心を制御する「心の主」となる心構え 12.長期的な視点で人生を考える:人生はマラソン 13.各種の瞑想、日常の行動のコントロール、それに必要な学習の実践 14.チャレンジングな生き方、困難を成長の機会として喜びとする 15.至福の老年的超越に向かう軌道に乗るための条件:健康長寿 16.老年的超越には、一定の困難・人生苦の経験が必要 17.人生苦を悟りへの導きとして喜びに変える感謝の生き方:人生を大切に する 付記1:徳川家康の遺訓 付記2:年齢年代と脳機能と生き方の変化 《参考資料》最新科学と輪の思想の共通点:一元的な世界観 《参考資料》運命の思想と科学